1988
前作ほど派手ではないけれど、AORっぽくなりつつ、かつ、少しだけアコースティックに揺り戻した5作目。前作のように二度と聞きたくないという感じじゃなかったですね。
時期的に最初の頃にプレスされたものには「I don't talk about it」は入ってなかったようです。元々いい曲だし、ギターが美しい。でもやっぱりストリングスがちょこっと気になるんですよ、私は。「The night I heard Caruso sing」のピアノに少しホッとして、「Apron Strings」で「ああ、よかった」と思う。でもこれだけ。
「Oxfort Street」「Shadow on a harvest moon」「Lonesome for a place I know」がギリギリ私の限界かなぁ。嫌いではない、ぐらい。でも「Love is here where I live」のようなちょっと暗めなのは素直にカッコいいと思えるんです。しかし全体のアレンジがいわゆるフュージョン(私も古いな…)なんです。それで手放しというわけにいかないというか、二の足踏んじゃう…。何が違和感か、本来爽快でドライブ感に優れた筈のサウンドにこの声がのっかると、ちっとも爽やかじゃない(笑)。ホント、全然ポップにならないんですが…。
で、結局今回最大のネックはドラムです。「These Early Days」「I always was your girl」「Blue Moon Rose」のポコポコ・ドラムが全くダメなんですよ。あのドラムさえなければOKなんだけどなぁ…。でもこれって時々やるんですよね~。何考えてるんだろう?いいと思うのかなぁ。いかにも人間がちゃんと叩いてないドラムなんて嫌いなんです。
そうは言ってもやっぱりトレイシーの無敵の声がある限り、どこからどう聞いてもEBTGなわけで、EBTGらしいかどうかは受け止める側の問題ですから、本人たちには関係ないわけで。彼らが好きなようにやっていくことをファンが否定してはいけないな、と少し諦め始めた頃でした(笑)。だからと言ってこちらが受け入れるとは限らないんですけどね。
- LP
- UK盤:Blanco Y Negro/WEA 242288-1 (1988)
- US盤:SIRE 25721-1 (1988)
- CD
- UK盤:Blanco Y Negro/WEA 242288-2 (1988)
- US盤:SIRE/WARNER 25721-2 (1988)
- 日本盤:VAP/Toy's Factory VPCK-85060 (1988)
- 日本盤(再販):VAP/Toy's Factory TFCK-88824 (1996)
- 日本盤:サブスタンス BSCP-30060(2002.7.24)
- 日本盤(紙ジャケット仕様):インペリアル・レコード(2006.10.25)
"Dyed In The Grain"と"No Place Like Home"と"Another Day Another Dollar"はシングル「THESE EARLY DAYS」に収録されていた曲。
"HangOut The Flags"と"Home From Home"はシングル「I ALWAYS WAS YOUR GIRL」に収録されていた曲。
"Living On Honeycomb"と"How About Me?"は「LOVE IS HERE WHERE I LIVE」に収録されていた曲。
"These Early Days [Dave Bascombe remix]"はそのものシングルタイトルずばりに収録されていた曲。
A-SIDES & B-SIDESは"I Don t Want To Talk About It"以外は全部CD初収録と思われる。
- CD
- UK盤:Edsel Records UK (2012.5.29)