2005
アダプト・オア・ダイ(10イヤーズ・オブ・リミクシーズ)と題された編集盤。「ミッシング」のニュー・リミックスを含む、未発表ヴァージョンを3曲収録した最新リミックス・アルバム。10年と言っても、「Temparamental」「Walking Wounded」「Amplified Heart」の3枚しかない。私が気に入ったのは、「コルコバード」と「」だけ。しかし、今回、クラブシーンに登場する多くのプロデューサーやDJについて勉強させていただきましたが、西麻布のイエローのサイトはさすがにすごい出来で、参考になりました。
1.「ミラー・ボール」~“Walking Wounded”
ジャジー・ジェフはトランス・フォーマー・スクラッチの発明者として知られるDJ。今やすっかり人気映画俳優となったラッパー、フレッシュ・プリンスことウィル・スミスとのコンビで一斉を風靡した。現在タッチ・オブ・ジャズ(ATOJ)の主宰者としてフィリーR&B・ヒップホップ・シーンを牽引する存在。そのジャジー・ジェフのリミックスによる「ミラー・ボール」は元がミディアム・テンポなので、落ち着いた曲調だったが、そのままのムードを保っています。この曲のリミックスは初。
2.「ビフォア・トゥデイ」~“Walking Wounded”
このリミックスは元々シングルで発売されていた。エマーソン、ディリンジャーとシケインのリミックスが同じシングルバージョンに入っています。
3.「ミッシング」~“Amplified Heart”
CL・マックスパッデンはアリゾナ出身のDJ、プロデューサーで、多くのリミックスをこなしているそうです。が、正直、詳細がよくわかりません。トッド・テリーの派手なリミックスよりは、比較的地味かなと思います。
4.「コルコバード」
ニー・ディープはジャーマン・ハウス・ユニット。ジャミロクワイなんかも手がけています。しかしぶっ飛びました。元々はシングル盤の「シングル」(ややこしいな、もう)に入っていた「コルコバード」ですが、オリジナルがボサノヴァなので、わりとさわやかな、かつドラムンベースという曲でした(“Like the deserts miss the rain”に収録)。それが、イケイケ?のラテン・ミュージックになっています。もちろん、ひねりはかなり入ってますけど。でも楽しい。この路線ならガンガン行って欲しいですね。
5.「ローラー・コースター」~“Amplified Heart”
フィラデルフィアの人気DJキング・ブリット。ファンク、ハウス、ヒップホップ、ジャズ、R&B、ドラムン・ベースほか様々なジャンルをクロスオーバーさせる。このリミックスはかなりエレクトリカルに仕上がっている。元のベースラインが好きなので、ちょっとなぁという感じ。
6.「ダウンヒル・レイサー」~Temperamental
ケニー・ドープはルイ・ヴェガと結成したマスターズ・アット・ワークやジャズ、ラテン、R&Bの大御所らを“ニューヨリカンソウル”のアルバムなどで知られる大物プロデューサー。あまりオリジナルと変わった感じはしないんだが。
7.「シングル」~“Walking Wounded”
ブラッド・ウッドはトータス最盛期のメンバーで、ロック系のプロデューサー。Photekのバージョンよりエレクトリカルだが、全体的にはシンプルなビートだけのアレンジに仕上がっている。
8.「哀しみ色の街」~“Walking Wounded”
デイブ・ウォレスはアクアスカイの中心メンバー。オムニ・トリオのリミックスが同アルバムに収録されており、ほかにスプリング・ヒール・ジャックのリミックスもある。このリミックスは正直、つまらない単調なドラムンベースだなと思う。。
9.「ファイブ・ファゾムス」~“Temperamental”
「テンパラメンタル」のオープニングの曲。ケヴィン・ヨストは米国ペンシルヴァニア州ウェインズボロ出身のDJ、プロデューサー。エリック・クラプトンの“I Get Lost”のリミックスで知られる。このリミックスはパーカッションの音が面白い。
10.「ララバイ・オブ・クラブランド」~“Temperamental”
ジェイ・シニスター・シーリーはルイ・ヴェガとの「ダイアモンド・ライフ」しか知らないが、アース・ウィンド・アンド・ファイアー“Never”のリミックスもてがけたそうな。オリジナルからして好きではないが、これよりはまだ静かでよかったと思う。
11.「テンパラメンタル」~“Temperamental”
この曲はいろいろリミックスが出ていますが、このバージョンはそれにしても全然違うので、ぶっ飛びました。テンポをぐっと遅くして、おどろおどろしくしてます。
12.「悪いのは私」~“Temperamental”
Fabioは1986年からロンドンの海賊ラジオ局にてDJを勤め、レア・グルーヴ、ヒップホップ、アシッド・ハウスほか長きにわたりUKのレイヴ・パーティーをわたり歩いた
13.「ロング」~“Walking Wounded” “Walking Wounded”に入っていたTod Terryのリミックスとはまた別の未発表バージョン。より派手になっている。
14.「ドライヴィン」~“The language of life”
これはまた懐かしいところから出して来たもんだなと「ドライヴィン」のアコースティックバージョンは元々はシングルの“Take Me”のカップリングとして発表されたもの。“acoustic”に収録されている。また、このバージョンは例の本人たちが認めていないベストアルバム“Best Of”にも入っている…らしい。
- CD
- UK盤:Virgin (2005.3.14)
- US盤:Rhino (2005.3.15)
- 日本盤:東芝EMI VJCP-68731 (2005.3.9)