1986
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ホーンストリングスの響きわたる派手な3枚目。なにしろフル・オーケストラですから、発売された当時は大きな驚きをもちました。プロデュースはマイク・ヘッジスとETG自身です。
当時「ふたりの音楽が持つナチュラルな肌合いは変わらない」なんて言って、プレスもいろいろ「変わってない」を連発してたことを思い出します。「これのどこが変わってないんだ」とその詭弁ぶりに腹も立てましたが、後にアコースティックにアレンジされた「COME ON HOME」を聞いて「なるほど」と思いました。改めて聞き直して見ると、楽曲自体はさほど変わっていません。しかしアレンジというか、音づくり全体が変わってしまいました。
ブラスセクションに関しては、さほど気にならないのですが、問題はストリングスじゃないかと思います。唐突にフィル・スペクターかと思って拒絶反応が出てしまう。また、トレイシーの唄い方が妙に歌い上げに入ってる。これが鼻につきます。バックコーラスが当時としても驚くほど下手です。
「Cross my heart」はこの中ではシンプルなアレンジポップで耳に残る曲ですし、「Don't let the teardrops rust your shining heart」は音がピアノとギターだけで、救われました。私は他は全滅でした。
アーティストとしてはいろいろやってみたいわけで、その気持ちは理解出来るので一々裏切った、などとは思いませんが、多少突き放した気分ではありました。
でも世の中不思議なもので、前の2枚よりいいとか、EBTGらしいとか言う人もいます。暗いのが嫌いという方はこちらをお勧めします。
- LP
- UK盤:Blanco Y Negro/WEA 240966-1 (1986)
- US盤:SIRE 25494-1 (1986)
- CD
- UK盤:Blanco Y Negro/WEA 240966-2 (1986)
- UK盤(再販):Blanco Y Negro/WEA 767028-2 (1995)
- US盤:SIRE 25494-2 (1986)
- US盤(再販):Warner 25494-2 (1995)
- 日本盤:VAP/Toy's Factory VPAC-85059 (1986)
- 日本盤(再販):VAP/Toy's Factory TFCK-88823 (1996)
- 日本盤:サブスタンス BSCP-30059(2002.7.24)
- 日本盤(紙ジャケット仕様):インペリアル・レコード(2006.10.25)
頭の3曲、"Come On Home (extended mix)"と"Draining The Bar"と"I Fall To Pieces"は「COME ON HOME」のシングルに収録されていた曲。おそらくCD初収録。
"Alfie"と"Where s The Playground Susie?"はシングルの「Don't leave me behind」に収録されていた曲。おそらくCD初収録。
"Almost Blue"はシングルの「I ALWAYS WAS YOUR GIRL」に収録されていた曲。これは「Essence and Rare」や、「Like Deserts Miss The Rain」にも収録されていた。
- CD
- UK盤:Edsel Records UK (2012.5.29)