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花飾りも帯もない氷山よ
【上演データ】
1976(昭51)年10月4日~6日
関弘子プロデュース公演
会場:渋谷ジァンジァン
演出:清水邦夫
照明:日高勝彦
出演:松本典子(あいつ)/吉岡祐一(男)
【あらすじ】
男がアパートの自室でウィスキーを飲んでいる。捨てたと思っていたセーターが10年ぶりに出てきて、それを眺めたり臭いをかいだりしている。セーターを着ようとすると、何やら悲鳴がする。セーターが悲鳴を上げたかのようだ。無理矢理着ると、男は突然「あいつ」の部屋にいる。
あいつはどこかで会ったことがあるような、それでいてどうしても思い出せない顔をしている。あいつに芝居の稽古の相手をするように言われ、無理矢理つきあわせられるが次第におかしな具合になっていく。あいつは弟なのか、かつて馴染みだった売春婦なのか…?
【コメント】
「幻に…」の公演中止の翌年の作品。アンリ・ミショーの詩集の中にある詩を適当に順番を変えて、そこから得たイメージを連ねただけのオリジナルとは言えない作品であると戯曲の最後に添えられていますが、まあ、そう悪く言ったものでもないでしょう。短い習作のような感じがします。
『清水邦夫全仕事』には「血の婚礼」「95kgと97kgの間」も入っていないのに、この作品は入っているわけですから、ご本人もそれほど悪く思っているわけではないと思います。
ある男が40歳の誕生日を迎えた日の不思議な出来事を舞台にしたものです。当然のことながら清水氏40歳の記念に書かれたかのようです。記念と言えば、松本典子初出演、清水邦夫初演出という記念すべき小作品でした。
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