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戯曲

なぜか青春時代

初出:『新劇』1987年8月号(No.413)p131~193
収録:「清水邦夫全仕事1981~1991下」p177~243 河出書房新社 1992.11.30

なぜか青春時代 チラシ
【上演データ】
1987(昭62)年7月4日~31日
パルコ制作公演
会場:パルコ劇場
演出:蜷川幸雄
美術:朝倉攝
照明:原田保
音響:高橋巌
衣裳:宮本宣子
舞台監督:明石伸一
製作:増田通二
制作:山田潤一/立石和弘
出演:夏木マリ(小林海)/松本典子(浅井ふね)/津嘉山正種(岸本善)/蜷川美穂(浅井竜子)/深水三章(河本秀次)/緋多景子(浅井ゆめ)/大門伍朗(啄本)/不破万作(伴作)/新井康弘/堀弘道/清家栄一/妹尾正文/渕野直幸/平井太佳子/松重豊/黒木里美/玉城美〓(王へんに路)/石塚智二/他
【あらすじ】
 東京、とある駅の操作場近くにあるビアホール「車庫」の女主人・浅井ふねは、夫が出奔し、以来一人でこの店を守り続けてきたが、今日を限り店を閉じる決心をしていた。しかし一人の女の客の話を聞くうち、1日だけ閉店を伸ばすことにする。その客・小林海は15年前にここで別れた仲間たちと明日再会するために、札幌から上京してきたのだった。
 最後の夜、次々と客が集まってくる。そして警官に追われた学生の一団をかくまった、あの日が蘇る。
【コメント】
 私にとっては「タンゴ」に続き2回目の舞台です。頭の中が真っ白になる舞台というものを観たのは。そりゃあ、もう凄かったですよ。
 蜷川幸雄・清水邦夫の二人の学生運動というか「あの日たち」へのオマージュというべき作品なんですが、その熱気はノスタルジーだけでは語れないものをもっていました。なんてったって、電車が突っ込んで来るんだもんなぁ。まさかとは思っていたけど、さすが蜷川演出。
 清水作品としても、素晴らしい出来だったと思います。海さんの正体とか、結局出てこないふねさんの旦那さんとか、相変わらず冴えている伏線の嵐。そして期待を裏切らないその正体たち。
 出演者の方は、夏木マリってこんなにカッコ良かったっけ、と改めて思いましたが、受ける立場の松本典子の魅力も大爆発。その娘役に蜷川美穂が出てたんですが、結構重要な役の割に存在感なかったのは仕方がない。同じ男(父親)を愛している相手が夏木マリと松本典子では相手が大き過ぎたんでしょう。
 余談ですが、確かこの作品にも平幹二朗は出演する予定だったと思います。それが病気で出演出来なくなり、急遽脚本を変えたのだったという記憶があります。私が当日券を買うため並んでいたとき、蜷川さんと平幹二朗が肩を組んで「飯食いに行こうぜ」と言いながら劇場の入り口から出ていったのを見かけました…。
 これを最後に蜷川さんとのコンビでオリジナルは観られなくなってしまったのは本当に残念ですが、この芝居に巡り会えたのは幸運だったと思います。
 


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