井上陽水 Disc Review
二色の独楽
二色の独楽
  1. 傘がない―イントロダクション―
  2. 夕立
  3. 太陽の町
  4. Happy Birthday
  5. ゼンマイじかけのカブト虫
  6. 御免
  7. 月が笑う
  8. 二色の独楽
  9. 君と僕のブルース
  10. 野イチゴ
  11. ロンドン急行
  12. 旅から旅
  13. 眠りにさそわれ
  14. 太陽の町
amazonで買う
POLYDOR 1974年10月1日 MR5050(LP)
POLYDOR 1983年9月1日 3113-12(CDオリジナル)
POLYDOR 1990年9月1日 POCH-1024(再発売)
POLYDOR 1996年6月26日 POCH-1575(再発売)
ユニバーサル 2001年12月19日 UPCH-1127(紙ジャケットシリーズ)
ユニバーサル 2006年10月4日 UPCY-6256

全曲ロスアンゼルス録音の4枚目。タイトルが少し地味だが、中は意外とさわやかな音質に仕上がっている。バックにレイ・パーカー・Jr.(ゴーストバスターズ)やジョー・サンプル、デビット・T.ウォーカーなどの後の有名どころが入っている。あのピアノがジョーサンプルなのか。

ジャケットだが、CDで使われている陽水が二重に露出されて撮影されているブルーのものは実際は本当のジャケットカバーに覆いかぶさっているもので、紙ジャケットシリーズだとわかる。

オープニングはどこが「傘がない」なんだろう?と思ってよーく聞いていると、いろいろな音に紛れているがかすかにわかる。そして、「夕立」。「夕立」のアレンジでは星勝が日本レコード大賞の編曲賞をとっている。「太陽の町」ですごく盛り上がりそうになると短くフェードアウトしていく。これはアルバムの最後に再度出てくるので、引っ張っているなぁと思う。

「ゼンマイジケのカブト虫」はずいぶんと意味深な曲名だ。

カブト虫こわれた 一緒に楽しく遊んでいたのに
幸福に糸つけ ひきずり回していてこわれた

男の子って、こういう残酷なことするよね。でも、それってもちろん子供に限った話でもなければ、虫に限った話でもなかったりするな、なんて思わせる。

「眠りにさそわれ」がこのアルバムの中ではマイ・ベストかな。オシャレなバラードシリーズとでもいいましょうか。「海へ来なさい」とか「マリーナ・デル・レイ」とかがそうで、陽水のこういう曲が好きだ。

全体的には最初の3枚よりは好みなんだけど、それは楽曲というよりは音作りの問題。これではpureフォークの人たちが「陽水は頭3枚まで」というのは当然。最初からその気配は濃厚だったが、この4枚目でもうフォークからは遠く離れてしまった。

だからこそ世代を超えた支持を得られたのだろう。そもそも、フォークの人だったら、私は聞いてない。

  作詞作曲編曲
1傘がない―イントロダクション 井上陽水星勝
2夕立井上陽水井上陽水星勝
3太陽の町井上陽水井上陽水星勝
4Happy Birthday井上陽水井上陽水星勝
5ゼンマイじかけのカブト虫井上陽水井上陽水星勝
6御免井上陽水井上陽水Gene Page
7月が笑う井上陽水井上陽水Gene Page
8二色の独楽井上陽水井上陽水Jack Nitzche
9君と僕のブルース井上陽水井上陽水星勝
10野イチゴ井上陽水井上陽水星勝
11ロンドン急行井上陽水井上陽水Gene Page
12旅から旅井上陽水井上陽水星勝
13眠りにさそわれ井上陽水井上陽水星勝
14太陽の町井上陽水井上陽水Gene Page
Guitar
Dennis Budmir, Ray Parker Jr., David T. Walker, Louie Shelton, Jusse Ed Davis, 安田裕美, 井上陽水
Steel Guitar
Orvill Red Rhodes
Drums
Edward Green, Harvey Mason
Bass
Wilton Felder, Max Bennett, Scott Edwards, Reine Press
Keyboards
Larry Muhoberac, Joe Sample, Clarence McDonald, Peter Robinson, Jack Nitzche
Percussion
Joe Clayton, Milt Holland, Alan Estes, Gary Coleman

氷の世界

CHRISTMAS