FOR LIFE 2009年3月25日 FLCF-5012(SHM-CD)
JR東日本のCMソングに「結詞」採用され、録音し直すことになったことから始まったが本作。デビュー40周年を迎え、これまでレコーディングされている曲をあらためて録音し直した、アニバーサリー企画だった。
「冷たい部屋の世界地図」(「陽水II センチメンタル」収録)なんかを比較すると、いかに声が変わったかわかる。アレンジは大幅に変わったわけではないものの、シンプルにすっきりし
た感じになっている。
「東へ西へ」(「陽水II センチメンタル」収録)はすでに他のアーティストが歌っていたが、奥様とお嬢さんたちがコーラスで入っているのは本当に「お父さんガンバレ」と言っているようでほほえましいやら何やら。
「海へ来なさい」(「スニーカーダンサー」収録)の声から入るところが良い。とても美しいのだが、私は元のバージョンの方が好きだ。
「カナリア」(「ライオンとペリカン」収録)は比較するようなアレンジではなく、まるで違う。エッジの切れた感じが良い。
「白い一日」(「氷の世界」収録)は元の素朴さよりぐっとこう渋く、シリアスになった感じ。
このアルバム製作のきっかけとなっただけに、「結詞」(「招待状のないショー」収録)の出来が出色。元も悪くないのだが、1970年代の雰囲気満載で少々古めかしい感じが否めない。本来はこれほどに美しい曲だったことが、このアレンジでよくわかった。
「ジャスト・フィット」(ライブバージョンが「クラムチャウダー」に収録)は初めてスタジオ録音で陽水のアルバムに収録された。絶叫する陽水がいい。
「愛の装備」(「white」収録)をやり直すとは意外。この曲、本人は思ったより気に入ってるのかもしれない。
「夏まつり」(「陽水II センチメンタル」収録)がドシリアスになってしまい、元の方がほんわかして好きだ。「眠りにさそわれ」(「二色の独楽」収録)も元のふんわかムードの方が良い。
「とまどうペリカン」(「ライオンとペリカン」収録)はライブでしか演奏されていないのも含めると様々なバージョンがあるが、これはかなり好きな方。ラテンのムードたっぷりだ。
こう見ると、やはり1970年代のアルバムから選ばれている曲の方が多いように見える。曲としては1980年代の曲も悪くはないのだが、おそらくアレンジとしては変化があり過ぎて気に入っていない曲もあったのではないかと推測される。
作詞 | 作曲 | 編曲 | ||
1 | つめたい部屋の世界地図 | 井上陽水 | 井上陽水 | 萩田光雄 |
2 | 東へ西へ | 井上陽水 | 井上陽水 | |
3 | 海へ来なさい | 井上陽水 | 星勝 | 瀬尾一三 |
4 | カナリア | 井上陽水 | 井上陽水 | |
5 | 白い一日 | 小椋佳 | 井上陽水 | |
6 | 結詞 | 井上陽水 | 井上陽水 | |
7 | Just Fit | 井上陽水 | 井上陽水 | 星勝 |
8 | 愛の装備 | 井上陽水 | 井上陽水 | 佐藤準 |
9 | 夏まつり | 井上陽水 | 井上陽水 | 佐藤準 |
10 | 眠りにさそわれ | 井上陽水 | 井上陽水 | |
11 | とまどうペリカン | 井上陽水 | 井上陽水 |