子供たちがみな、深い深い傷を追うが、それを癒してまた生きていく場所も、下北沢なのだろう。
最終巻でさまざまなことに一応の決着はつくのだが、これについて、すべてカタがついたとは言い難いものがある。千帆子はきっと周りの人たちに助けながら、強くたくましく生きていくことだろう。さまざまな苦しみから解放されたミチの人生は、やっと解放されてスタートされる。マチルダも立ち直れそうだ。けれど、真夜はともかく、準一について、どうしてもひっかかる。お金でカタをつけて、仕事に復帰では、あんまりだと。彼があまりにも最低なので、本当に救われるのか、できればそこまで描いて欲しかったが、おそらく本筋からすると優先順位が低いのはわかる。
めずらしく最後の読後感が若干悪くて、ミチや千帆子のたくましさ、さわやかさに勝てない、準一の救いようのなさだった。
書誌事項:集英社 2012.4.18 (りぼんマスコットコミックス) ISBN978-4-08-867199-4
初出誌:東北沢5号...「Cookie」2011年10月号~2012年3月号