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河内遙は東京出身、女性漫画家である。1981年(武嶌 波のプロフィールより)頃の9月6日生まれ。
祖父は戦前から活躍した漫画家・アニメーターの古沢日出夫、両親もアニメ・クリエイターというサラブレッドである。この環境が彼女に与えた影響は、80年代後半から90年代のサブカルから大衆的なものまで様々なマンガが家庭にあったということである。マンガや本、アニメーションや映画など、多くのものが手をのばせばそこにある状態だったようだ。現在の幅広いジャンルを扱うことが出来る、しかもオリジナリティの高い漫画家としての根が家庭にあったと思わざるを得ない。たくさんのものがインプットされているから、影響を受ける面もあるだろうが、自覚的に模倣を避けている面もあるのではないかと想像する。また、絵を描くことを職業にすることへの家庭における抵抗のなさは、やはり特殊なものがあるだろう。
中学から受験のため絵画教室に通い、東京都立芸術高等学校油絵科に入学。えすとえむ、武嶌 波らとは同級生でともに漫研に所属。高校在学中より青林工藝社『アックス』に持ち込みを行う。
2001年『アックス』で「ひねもすワルツ」でデビュー。その後もこつこつと描き続け『アックス』『幻燈』で作品を発表していたが、2005年に『コーラス』に持ち込んだ「豆乳コーヒーブギ」で少女漫画誌デビューを果たす。2007年に『マンガ・エロティクス[エフ]』に「キワキワケメコさん」が掲載されると、作品の幅がどんどん広がり、掲載誌も増加、作品点数も急激に増えて行く。
2009年に単行本が刊行されるも、いきなり1ヶ月の間に4社から単行本が出るという驚異的なデビューを飾る。続いて2010年2月~4月には5社から単行本が出る事態に。明らかにオーバーワークと思われたとき、小学館『ビッグコミック・スピリッツ』誌の「オーミ先生の微熱」の連載が休載になり、祥伝社『FEEL YOUNG』の「夏雪ランデブー」の連載が一時中断される。
2011年より「夏雪ランデブー」も再開したが、「関根くんの恋」の連載も継続しているため、、「オーミ先生の微熱」の連載再開は前述の連載が終了してからと予想される。
作品のタイプは多岐にわたるが、本人としてはこれが描きたいと思って描き始めるわけではないとインタビューで語っていて、とにかく漫画を描くことが好きな様子。どちらかというと職人肌なのか、頼まれると良い作品を仕上げなくてはいられない、頼まれると断れない性格のようだ。出版界は一社の枠を越えて、この才能をつぶさないように調整して欲しい。