最近読んだ本、見た映画・芝居、聞いたCD

2015年10月

2015年10月31日

グルプ消息不明/エドゥアルド・メンドサ

グルプ消息不明グルプと「私」は宇宙人で、調査のために地球にやってきたが、二人は離ればなれになってしまう。上官である「私」はグルプを探しながらバルセロナの街を歩き、住み、住民たちと接触していく。オリンピック間近に控え、工事中が多い街を歩く。

彼は自由に姿を変えられるので、過去の歴史上の人物を参考にするのだが、こんな格好で街歩けないでしょうが...というような人物が次々出てくる。この本でも最初の方は肖像画が添えられていたりして、笑える。同じアパートに住むシングル・マザーに接触しようとして、あれこれ考え、最初は成功するものの、おいおいやり過ぎだー!とこれもまた笑ってしまう。かと思うと、バルの老夫婦とほろりとした人情物のような関係を結ぶが、見舞いに行くときにやはり「やらかして」しまう。ハラハラしたり、意外と楽しそうなことにほっとしたり、読者が「私」を見守ってしまうような小説だ。

ある種のタイプの人々にとって、「私」の行動が不思議でも何でもなく、この世界の方がおかしい、と思うこともあるのだろうなとも思う。この物語の期間が16日間という短い間のせいか、ストーリーに勢いを感じる。一気読みをお勧めする。

■原綴:Sin noticias de Gurb, Eduardo Mendoza ,1991
■書誌事項:エドゥアルド・メンドサ著,柳原孝敦訳 東宣出版 2015.7.10(はじめて出逢う世界のおはなし―スペイン編)ISBN978-4-88588-085-8

2015年10月17日

大貫妙子と小松亮太 コンサートツアー「Tint」

tintツアー9月のBillboard Live 東京でのライブの方がいいかなと思いましたが、去年見たので、新しいアルバムの新しいメンバーでのチャレンジを見届けようと「Tint」ツアーに参戦。Bunkamuraオーチャードホールというのは、クラシックも多数演奏する場所なので、繊細な音作りの人が好むホールなのでしょうか。弦の音がよく響いて、それに大貫さんの声がよく乗って、美しいコンサートでしたね。

今回はアルバムと同じ、繊細だけど情熱的なタンゴのバンド。私は現地に行ったこともある、長年のアルゼンチンサッカー・ファンなので、基礎的なタンゴの曲は一通りは聞いています。バンドネオン、バイオリン、ウッドベース、ギター、ピアノという楽器たち。バンドネオンは確かに特殊な音ですが、特にバイオリンを筆頭に弦の響きは素晴らしい。「Pure Acoustic」の弦楽四重奏団のことを思い出します。タンゴ・バイオリンの専門家・近藤久美子さんはクラシックとはまったく別物の、乾度の高いリズミカルな音も素晴らしいのですが、弾いている姿も本当にカッコいい。大貫さんが歌っているとき以外の時間、小松さんをすり抜けて近藤さんに目が釘付けでした。小松亮太さんとの息もぴったり!ってご夫婦なので当たり前ですが。

弦の音を充分に楽しみましたけれど、やっぱり大貫さんの歌声が一番美しい。

全16曲中7曲がインストゥルメンタル=小松パート(&国府ソロ)のため、大貫さん、結構出入りが多く忙しい。「Tint」から全曲やりました。それ以外は小松パート追加で「風の詩」「五重奏のためのコンチェルト」「ラ・クンパルシータ」と国分さんのソロ。大貫さんパートで追加されているのは「横顔」と新曲の「山のトムさん」だけですね。

ドラマ「山のトムさん」(WOWOW2015.12.26放映予定)の音楽を担当されたということで、その主題歌を最後に歌いました。新曲です。小林聡美、もたいまさこ、市川実日子の三女優が会場にいらしてるとのMCがありました。私は残念ながらお見かけできませんでしたが、「見た」というツイートが流れてました。「2013年の「パンとスープとネコ日和」以来ですね。


2015年10月16日(金)19:00開演、20:45終演
Bunkamuraオーチャードホール

■セットリスト
1.風の詩~THE 世界遺産(小松亮太)[inst]
2.横顔(作詞・作曲:大貫妙子)
3.Hiver(作詞・作曲:大貫妙子)
4.ハカランダの花の下で(日本語詞:大貫妙子/作曲:エクトル・スタンポーニ)
5.1980年代(作曲:オマール・バレンテ)[inst]
6.我々はあまりに若かった(作曲:レオポルド・フェデリコ)[inst]
7.突然の贈りもの(作詞・作曲:大貫妙子)
8.エトランゼ(作詞・作曲:大貫妙子)
9.You Tune My Heart(国府弘子)[inst]
10.リベルタンゴ(作曲:アストル・ピアソラ)[inst]
11.五重奏のためのコンチェルト(作曲:アストル・ピアソラ)[inst]
12.ホテル(作詞:大貫妙子/作曲:小松亮太)
13.Tango(作詞:大貫妙子/作曲:坂本龍一)
14.愛しきあなたへ(作詞:大貫妙子/作曲:小松亮太、大貫妙子)
en 1.ラ・クンパルシータ(作曲:ヘラルド・エルナン・マトス・ロドリゲス)[inst]
en 2.山のトムさん(作詞・作曲:大貫妙子)

■出演
大貫妙子(ボーカル)
小松亮太(バンドネオン)
国府弘子(ピアノ)※ゲスト
近藤久美子(ヴァイオリン)
天野清継(ギター)
鈴木厚志(ピアノ)
田中伸司(コントラバス)

2015年10月11日

orange pekoe acoustic duo live autumn at Motion Blue Yokohama

Motion Blue 2015.10.10オレペコがモーションブルーに来るときは、出来るだけ行くようにしている。大きさといい、窓から港が見える場所柄といい、オレペコにとても似合ってる。

今回は秋のライブということで「in autumn」の中からも選んだという。1stは意外な曲もあったようだが、2ndは比較的オーソドックスな選曲。「Selene」はやっぱり泣ける。

秋の訪れが四季の中で一番好きだという、今年は金木犀の香りがしたと思ったら、すぐに大雨が降り、一瞬しか、秋の訪れを楽しめなかったと言う。確かに、私も秋の訪れを感じるのは金木犀の香りだ。今年は短かった(金木犀の花びらを集めてをトイレにまいた話をして、ムードを台無しにする一馬くん、らしくていい)。

トモジは相変わらず表情豊かに歌ってる。泣きそう、切なそう、楽しそう、歌に合わせてすべて全身で表現するのを見ている。当たり前のことだが、ライブって、それがいい。

1stは「Beautiful Thing」や「煙のセレナード」なんかもあったよう。

2nd
1.Foggy Star(Oriental Jazz Mode)
2.Yuragi(Wild Flower)
3.輪舞(in autumn / Poetic Ore)
4.藤本一馬ソロ
5.Selene(single)
6.Flower(Oriental Jazz Mode)
7.やわらかな夜(Orange Plastic Music)
8.太陽のかけら(Orange Plastic Music)
9.空に架かるCircle(Happy Vallery)
en.
10.LOVE LIFE(Orange Plastic Music)