Tint/大貫妙子&小松亮太
2015年6月10日に発売された大貫妙子の最新アルバムはバンドネオン奏者・小松亮太とのコラボアルバム。小松亮太と大貫さんの出会いは2000年の「ensemble」収録の「エトランゼ~etranger」のレコーディングで、デビュー直後の小松亮太を指名し、セッションをしたのがきっかけ。山弦といい、大貫さんは若くて良いミュージシャンを発掘しますよね。シングル(愛しきあなたへ)から発展したアルバムなので、形になってよかった。
"Tango"は「LUCY」から、"Hiver"は「One Fine Day」、"エトランゼ"は「ensemble」、"突然の贈りもの"は定番。"エトランゼ"は前述の通り、もともと小松が参加している作品だが、今回はずいぶんとゆったりとした雰囲気に変わってる。"突然の贈りもの"が最初に発表されたのは「MIGNONNE」での収録だが、最近では「Pure Acoustic」からのバージョンが使われることが多い。今回のタンゴバージョンもおもしろい。
"愛しきあなたへ"はこのアルバムのきっかけとなった二人の合作で、2014年秋に放送されたNHKラジオ深夜便「深夜便のうた」のテーマ曲。シングルになっている。
"ホテル"は2008年10月にビルボードライブ東京で初披露された大貫妙子と小松亮太が最初に合作した曲。
"ハカランダの花の下で"はエクトル・スタンポーニによるタンゴの名曲「最後のコーヒー El Ultimo Cafe」(1963)に大貫妙子が新たに日本語詞をつけたもの。オリジナルの日本語歌詞を観ましたが、なんていうか...ベタベタな感じなので、全然こちらの歌詞の方がいいです。
"1980年代"、"我々はあまりに若かった"、"リベルタンゴ"の3曲はタンゴのインストゥルメンタル。
以上、オリジナルは2曲、カバーが4曲(うち3曲インスト)、セルフ・カバーが4曲の合計10曲。一応オリジナルの新曲も入ってるので、良しとしないとならないんだけども、最新アルバムは2010年の坂本龍一との「UTAU」、オリジナルアルバムは2007年の「ブックル・ドレイユ」。これはアレンジをやり直して録音し直した曲が多く、完全にオリジナルと言えるのは2005年の「One Fine Day」までさかのぼらないとならない。もう10年か。オリジナルアルバム出さないのかなぁ。
1. 1980年代 [inst] (作曲・編曲:オマール・バレンテ)
2. Tango (作詞:大貫妙子,Fernando Aponte/作曲:坂本龍一/編曲:小松亮太)
3. Hiver (作詞・作曲:大貫妙子/編曲:森俊之/ストリングスアレンジ:熊田洋)
4. エトランゼ~etranger (作詞・作曲:大貫妙子/編曲:国府弘子)
5. 我々はあまりに若かった [inst] (作曲・編曲:レオポルド・フェデリコ)
6. 愛しきあなたへ (作詞:大貫妙子/作曲:小松亮太,大貫妙子/編曲:小松亮太)
7. ハカランダの花の下で (日本語詞:大貫妙子/作曲:エクトル・スタンポーニ/編曲:オマール・バレンテ)
8. リベルタンゴ[inst] (作曲:アストル・ピアソラ/編曲:小松亮太)
9. ホテル (作詞:大貫妙子/作曲:小松亮太/編曲:小松亮太)
10. 突然の贈りもの (作詞・作曲:大貫妙子/編曲:小松亮太)