現代ラテンアメリカ文学併走―ブームからポスト・ボラーニョまで
本書は『ユリイカ』1990年1月号の「ラテンアメリカ文学の現在」から「ワールド・カルチュア・マップ」と名称変更され、2003年12月号までの13年間に書かれた100篇以上のコラムの中から選ばれたものが中心にまとめられている。この中で紹介された本の中には、すでに翻訳されて刊行されたものもあり、その後音沙汰のないものもある。
●翻訳が出て欲しいと思う本
バルガス=リョサ「アンデスのリトゥーマ」'(2012年10月岩波書店より刊行)「ケルトの夢」「綺麗な目、醜悪な絵」(戯曲)
ルイス・セプルベダ「世界の果ての世界」
ホセ・ドノソ「象の死に場所」「わたしの部族の記憶をめぐる推察」
セサル・アイラ「夢」「誕生日」
オラシオ・カステジャノス=モヤ「男の武器」
フアン・ビジョーロ「アルゴンの照射」
フリア・アルバレス「蝶の時代」(2012年内作品社より刊行予定)
この前後に比較的長めの論文が収録されている。中でも「ゲイの受容」という『ユリイカ』1995年1月号に掲載されたものは、レイナルド・アレナス「夜になる前に」を訳された方だけのことはあって、興味深い。ラテンアメリカ文学の作品にゲイが登場してからを解説してくれている。
●著者名:安藤哲行
●書誌事項:松籟社 2011年10月30日 ISBN978-4-87984-296-1