バルガス=リョサ、ノーベル文学賞受賞
2010年のノーベル文学賞、日本ではいよいよ村上春樹かと盛り上がっていたが、ほかに候補者にはフィリップ・ロスや高銀、シリアのアドニスなどが並んでいた。毎度のようにマリオ・バルガス・リョサやカルロス・フエンテス、トマス・ピンチョンなんかもあがっていたが、年中行事のように思っていたら、今更ながらリョサが受賞。
リョサくらいになると、あれ?とってなかったっけ?という反応が出る。私はとれてないことは知っていたが、アレッホ・カルペンティエールやカルロス・フエンテスなんかも受賞してないんだなということをあらためて認識する。カルペンティエールは何度も候補にあがったがとれずじまい。ノーベル文学賞って確か現存者のみだったから、死んだらもらえないんだったと思う。だから今更感はぬぐえないが、とれないよりはよい。ガブリエラ=ミストラル、アストゥリアス、パブロ・ネルーダ、ガボ、オクタビオ・パスに続いてラテンアメリカでは6人目となる。実際、最近もコンスタントに作品は発表しているのです。
翻訳を待っている身としては、正直言って受賞はありがたい。出版社が企画を通すときの一つの手ではある。もちろん、ノーベル文学賞をとったからと言って、即本が売れるわけではないし、取ってから翻訳が出るまで時間がかかるため、日本の飽きっぽい読者には意味がないという話もある。
それでもやはり新刊および絶版の復刻を期待したい。すでに予定されていた2011年1月頃の「チボの狂宴」に続き、作品社から「BAD GIRL(バッドガールのいたずら)?」が予定されているそうだ。何にせよめでたい。
はっきりは読めないかもしれないが、私の本棚の一番良いところに、リョサ棚がある。なんとなく記念にアップしてみた。