Studio 150
■Paul Weller 2004.9.1 V2レコーズジャパン/コロムビアミュージックエンタテインメント
■感想
ポール・ウェラーのカバーアルバム「スタジオ150」。自分のルーツを探る名曲をそろえています。アレンジに随所にスタイル・カウンシルらしさが出ています。
ポール・ウェラーは、なんというか、決してテンションを下げずにずっと真摯に歌い続けている真面目なアーティストで、ある一定の影響力を持ち続けているという評価を得ています。格別大ヒットに恵まれたとは言えませんが、1970年代から一貫した音楽への姿勢を持ち続けていることは、当時のアーティストの中ではほとんど見られません。貴重な存在でしょう。
しかし、やはりじゃあ毎回新譜が出るたびにおまえは追いかけているのかと聞かれたら、いやいや全然です。というのも、ジャムでもポール・ウェラーでもなく、私はスタイル・カウンシルのみの人間なので。あの過渡期というのか、一時期のポップ状態が好きなだけですから。
けど、カバーアルバムとなると話が違い、即買いでした。ポップスのアレンジがうまいと思うので、期待してしまったのです。なかなか楽しかったです。"Close To You"は「遙かなる影」という邦題で知られるカーペンターズの曲で、バート・バカラッックの手になる曲です。バート・バカラッックをポール・ウェラーが!これなんか、ほとんどスタカン時代の音になってます。あと好きなのは"All along the watchtower"かな。「見張り台よりずっと」という邦題ですが、ボブ・ディランの曲で、ジミヘンもカバーしてます。
全体的にポップな感じですが、ポール・ウェラーを兄貴と慕う人たちには「ちょっとなー」と思われるかもしれません。そのマジメさが好きという人たちには、ちょっとノスタルジックになっていると感じられるかも。ひょっとしたら音が全体的に少し後退気味なのかもしれません。が、私にはちょうど良い感じです。
13、14曲目は日本のみのボーナス・トラックです。しかも日本のみ先行発売。相変わらず日本では一定の人気があるみたいですね。
- If I Could Only Be Sure
- Wishing On A Star
- Don't Make Promises
- The Bottle
- Black Is The Colour
- Close To You
- Early Morning Rain
- Thinking Of You
- One Way Road
- Hercules
- All Along The Watchtower
- Birds
- Family Affair :
- Let it be me