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2004年1月 9日

来て見てラテンアメリカ

来て見てラテンアメリカ■著者:滝野沢優子
■書誌事項:凱風社 2003.10.15 ISBN4-7736-2302-0
■感想
本書は1998年の刊行で1995年頃1年半もかけて中南米〜南米をバイクで旅した旅行記。少々古いのだが、女性・一人旅・バイクとそれだけで面白いアイテムがそろっていて、更に一応プロのライターさんなので文章はまともだし、各国のバックボーンをきちんと調べた上で旅しているので、これは掘り出し物だった。今までどうして見つけられなかったのだろう?メキシコから始まり、ちゃんとフエゴ島まで行って、ブラジルで終わっている。ちゃんと18ヶ国も訪ねている。通り抜けただけとは言え、さすがにベリーズ行く人は珍しいぞ。
南米バイク旅というのは、先駆者はチェ・ゲバラである。好みもあるだろうが紀行記を読む上で、移動手段としてはおそらくベストだろうと私は思う。徒歩はあまりにも時間がかかりすぎるため多くの国が回れない。荷物も少ないだろうし。バスも良い面はあるが、少々人々との接触が減ってしまう。ヨーロッパと異なり、南米は列車の旅がほとんど使えないのが難点(列車が走ってない)。車はどうなんだろうな。これは読んだことがないのでわからない。もちろん、バイク故の苦労やロスはあって、書類が整わず足止めくらうこともあったようだが、オフロードバイクなら、それなりに厳しい道でも行けてしまうところが良い。
ただ、やっぱり内容的には中南米が半分を占めてしまう。遺跡が多いのがメキシコ、ペルーだから仕方がない。個人的にあまりそういった文化遺跡に興味がないのだが、それでもパタゴニアをバイクで、というのはなかなか興味深い話が多い。今回はアマゾンのジャングルは含まれていなかった。
中南米〜南米の旅は


  1. 古代遺跡(マヤ、インカなど)
  2. ジャングル(探検/釣り)
  3. 登山・トレッキング(アンデス/パタゴニア)

のどれかを目的としたものがほとんど。普通の人の普通の生活が知りたいだけなんだけどなぁ。それじゃあ旅としても読み物としても、つまらないのか。しかし、中南米から降りて来ると、ウルグアイ、チリ、アルゼンチンの3ヶ国がいかに白人が多くてインディオが少ないかよくわかる。異常なくらいに思える。まぁ、一番人口が多い国は当然ブラジルなので、全体としてはバランスは取れているのかもしれないけど。
お料理メモ:菜の花とはまぐりのご飯Yahoo!グルメ