最近読んだ本、見た映画・芝居、聞いたCD

2004年1月

2004年1月10日

最後の瞬間のすごく大きな変化

最後の瞬間のすごく大きな変化■原題:Enomous Changes at the Last Minute / Grace Paley
■著者:グレイス・ペイリー著,村上春樹訳
■書誌事項:文藝春秋 1999.5 ISBN4-16-0318490-2
■感想
ものすごく単純に、表紙のせいで衝動買いをしてしまいました。短篇集だし、全然読み進められなかったです。表紙がエドワード・ホッパーなのがいかんのです。「モーニング・サン」好きなんだな、これが…。そして後から気づいたのですが、村上春樹訳…最悪だ…。
中身は思ったより悪くはありませんでしたけどね。女性じゃないとつまんないかもしれませんね。しかもちょっと中年じゃないとね…。N.Y.にも子連れの母親が公園に集合するなんて風景があるのね(笑)ちょっと意外。

2004年1月 9日

来て見てラテンアメリカ

来て見てラテンアメリカ■著者:滝野沢優子
■書誌事項:凱風社 2003.10.15 ISBN4-7736-2302-0
■感想
本書は1998年の刊行で1995年頃1年半もかけて中南米〜南米をバイクで旅した旅行記。少々古いのだが、女性・一人旅・バイクとそれだけで面白いアイテムがそろっていて、更に一応プロのライターさんなので文章はまともだし、各国のバックボーンをきちんと調べた上で旅しているので、これは掘り出し物だった。今までどうして見つけられなかったのだろう?メキシコから始まり、ちゃんとフエゴ島まで行って、ブラジルで終わっている。ちゃんと18ヶ国も訪ねている。通り抜けただけとは言え、さすがにベリーズ行く人は珍しいぞ。
南米バイク旅というのは、先駆者はチェ・ゲバラである。好みもあるだろうが紀行記を読む上で、移動手段としてはおそらくベストだろうと私は思う。徒歩はあまりにも時間がかかりすぎるため多くの国が回れない。荷物も少ないだろうし。バスも良い面はあるが、少々人々との接触が減ってしまう。ヨーロッパと異なり、南米は列車の旅がほとんど使えないのが難点(列車が走ってない)。車はどうなんだろうな。これは読んだことがないのでわからない。もちろん、バイク故の苦労やロスはあって、書類が整わず足止めくらうこともあったようだが、オフロードバイクなら、それなりに厳しい道でも行けてしまうところが良い。
ただ、やっぱり内容的には中南米が半分を占めてしまう。遺跡が多いのがメキシコ、ペルーだから仕方がない。個人的にあまりそういった文化遺跡に興味がないのだが、それでもパタゴニアをバイクで、というのはなかなか興味深い話が多い。今回はアマゾンのジャングルは含まれていなかった。
中南米〜南米の旅は


  1. 古代遺跡(マヤ、インカなど)
  2. ジャングル(探検/釣り)
  3. 登山・トレッキング(アンデス/パタゴニア)

のどれかを目的としたものがほとんど。普通の人の普通の生活が知りたいだけなんだけどなぁ。それじゃあ旅としても読み物としても、つまらないのか。しかし、中南米から降りて来ると、ウルグアイ、チリ、アルゼンチンの3ヶ国がいかに白人が多くてインディオが少ないかよくわかる。異常なくらいに思える。まぁ、一番人口が多い国は当然ブラジルなので、全体としてはバランスは取れているのかもしれないけど。
お料理メモ:菜の花とはまぐりのご飯Yahoo!グルメ

2004年1月 7日

昨日・今日・明日

昨日、今日、明日■Ieri, Oggi, Domani 119分 イタリア/アメリカ 1963年
■スタッフ
制作:カルロ・ポンティ
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ
■感想
上の4人の組み合わせで言うと、「昨日・今日・明日」(1963)、「ああ結婚」(1964)、「ひまわり」(1970)、「特別な一日」(1977)という流れになり、記念すべき第一作目。カルロ・ポンティはソフィア・ローレンのダンナです。芸術作品としては「ひまわり」が最高なのですが、私は学生の頃深夜テレビでこの作品を見て、妙に気に入り、LDがあればLDを、DVDがあればDVDを買ってしまいました。元気の出る映画ベスト5のうちの1本だと思います。3話からなるオムニバスで、イタリアらしい艶話(つやばなし)というんでしょうか?コメディです。


第1話「ナポリのアデリーナ」
この話が一番長い上に面白い。夫が失業中のため闇タバコ売りをしているアデリーナは刑務所に入りたくない。妊娠中及び産後6ヶ月は懲役を免除されるため、計算していつも妊娠しているように務めている。なのだ。元々多産の家系であるアデリーナは7人の子を産んだ後、さすがに夫が疲れてしまい、なかなか妊娠しなくなる。夫の親友に妊娠させてくれるよう頼むが、いざとなると夫以外はイヤだと思い知る。アデリーナはもう悩むのがイヤになり、自ら刑務所に入る。夫は自分のふがいなさが悪いと落ち込み、恩赦をもらおうと街の人たちに頼み、署名運動を展開する。豪快なおっかさんのソフィア・ローレンとマストロヤンニの情けない亭主が最高に良く似合う。
第2話「ミラノのアンナ」
政治家で富豪の人妻の、若い青年との浮気の代償。原作はアルベルト・モラヴィア。
第3話「ローマのマーラ」
美しい高級娼婦に溺れた神学生の顛末を描く。お人好しで色っぽくて、気が短いけど情に厚い高級娼婦をソフィア・ローレンが熱演。対して田舎の金持ちのボンボンをマストロヤンニが情けない感じで演じていて、これもまた良いかな。

2004年1月 1日

年頭のご挨拶

あけましておめでとうございます。
昨年は前半後半とちょうど半年で分断されて、まったく異なる事情によるものでしたが、それでも物理的というか時間的にはこれまでの(長くも短くもない中途半端な長さではありますが)人生で最高に大変でした。
本年初頭は昨年後半に引き続き大変で、この後さらに大変になると思われます。あまりまともに更新することは出来ないだろうなと思いますが、完全に停止してしまった2002〜2003.10の1年10ヶ月について、一応は多少なりとも反省しておりますので、挫折しながら何とか少しずつでも可能な限り更新しようと思っています。まぁ、あくまで自分用ですから、誰にいいわけしなくても良いとは思うのですが、自分に言い聞かせたのでした。