スローフット―なぜ人は、サッカーを愛するのか
■著者:西部謙司
■書誌事項:双葉社 2003.6.25 ISBN4-57-529566-3(サッカー批評叢書)
■感想:
著者はフランスに3年いたというサッカージャーナリストなので、イングランド、イタリア、スペインという欧州サッカー中心地からはずれているため、日本のサッカージャーナリストの中では少々異色。サッカーに対する物の見方が少し変わっていて、視点が面白い。サイモン・クーパーがイギリス人のくせにずっとオランダで育ったという経歴の持ち主なので面白いのかなと思ったのと同様。
- 第1章 ロス・セボジータス
- マラドーナが8歳から14歳まで所属していた少年時代のチーム
- 第2章 The BIG MAN,still standing
- バルサのリケルメは何故上手くいかないのか(2003.2)
- 第3章 青か赤か
- マンチェスターでわざわざユナイテッド(赤)を選ばず、シティ(青)を選ぶファンの話(2003.2)
- 第4章 異邦人
- フランスリーグ(2002.12)
- 第5章 空飛ぶトルコ人
- トルコリーグ観戦記(2003.5)
- 第6章 三巨人物語
- 1950年代に欧州で活躍した3人の巨人、ディ・ステファノ、プスカス、クバラの話(2002.10)
- 第7章 ヨハン
- ヨハン・クライフのトータルフットボール(2003.3)
- 第8章 試されるJリーグ
- ジーコ・ジャパンの戦術の基本はJリーグ(2003.4)
- 第9章 悪の論理
- 闘将・柱谷の日本人離れしたマリーシア
- 第10章 Why football?
- サッカーにかかわる様々な人々へのインタビュー
- 第11章 何も放棄するな
- 美しいサッカーか、勝つサッカーか
毎度繰り返し言うが、サッカー本はタイミングが難しい。歴史的な話(1980年代以前とか)なら何とかなるが、チームや選手の評価は頻繁に変わるので、とにかく新しくないと意味がない。たいていは雑誌の方が望ましい。各週で2冊プラスα読んでいる。雑誌というと、サッカー関連以外は読まないというくらいだ。
本書は3〜4ヶ月の刊行になるが、このくらいのタイミングならギリギリという感じか。普段読んでいないサッカー雑誌に掲載された文章が多いので、安いし、中身もよくわからないまま買ったら、中身があたりだった。我ながら勘が良いなぁ。