ゲバラ日記
■著者:チェ・ゲバラ著,高橋正訳
■書誌事項:角川書店 1999.5.10 ISBN4-04-317001-7(角川文庫)
■感想
前述の本と同時に読み進めていたので、変な日数になっている。「ゲバラ日記」はゲバラ最後の闘いであるボリビアでのゲリラ活動における日々を本人がメモした日記である。
喘息に苦しんだり、蚊や飢えに苦しんだりと、まったく大変な行軍な様子が不思議と悲壮感なく淡々と綴られている。敗北も正確に記し、無理に自分を鼓舞するような文章もなく、冷静に客観的に戦況を見つめている。カッとなって部下を殴ったり、つまらない諍いに困ったことも包み隠さず記載している。結局、覚悟の出来上がってる人は、とどのつまり、こうなんだなと思う。
「ゲバラ日記」は中央公論社とみすず書房(絶版)、古くは朝日新聞社(絶版)から刊行されている。本人が非常に見えにくい戦局の中で得られた範囲内の情報で書いているため、推測も多く、実際この時どうだったのかを補足してくれるようなものなら、そちらの方が良いと思う。原書房版がそうなのだが、ちょっと高いな。