ボカ共和国見聞記―知られざるアルゼンチン
■著者:津田正夫
■書誌事項:中央公論社 1984.12 ISBN4-12-201179-5(中公文庫)
■感想
絶版である。1975.5に新人物往来社より刊行されたもので、それにフォークランド紛争についての章を付与して刊行された文庫版である。しかし、ここまで遡らないとアルゼンチン一国だけを取り上げた紀行文というか軽いエッセイのようなものはなかなか見つからない。経済のみならあるのだが、風土一般といったものについては、南米各国のもの以外で最近のものは見たことがない。まだ探索中ではあるが。
こういった類の本は情報が古いとあまり意味がないので、比較的新しいものを探しているのだが、これでも30年近く前に書かれたものだ。一応気候、歴史、政治、社会全般、食事、観光地などが一通りさくっと書かれていて、非常に良い入門書だとは思う。
ブエノスアイレスという名前は「州」の名前で、首都ブエノスアイレスは通称でセントラルと呼ばれるとか、そういった基礎知識は一応ある。通りの様子や街のおのおのの場所の特徴などは、最近でも本書の通りだと思う。フロリダ通りをいったい何度往復したのか数え切れないなぁなど、追体験しているようで楽しかった。
女の人がみんなきれいだというのは贔屓目か?いわゆるブロンドの髪でブルーの瞳は少なかったけど、それが「=美」と言えるかどうかは確かに疑問。アメリカ人より太った人が少ないとは思う。けど、女性喫煙率が異常に高い。
お腹が空いているときは読まない方が良い。またアルゼンチン料理屋へ行きたくなってきた。