チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記
■著者:エルネスト・チェ・ゲバラ著,棚橋香奈江訳
■書誌事項:現代企画室 2001.9.20 ISBN4-7738-9715-5
■感想
ゲバラって、あの軍帽かぶってひげもじゃもじゃはやして、斜め上を見ている、あのポスターの印象しかない。カストロと違い、若くして死んでいるので、革命のヒーローのまんまなんだよねーというくらいなもの。あまり前知識なく読んだ。単に南米の旅行記として読みたかったから。
若い頃の写真が多数入っていて、やっぱり彼はひげはやさない方がカッコいいと思う。いいとこのぼっちゃんだったので、なんというか50年代のイタリア映画に出てくるような甘い二枚目。その彼が23歳の医学生のとき、半年以上かけて、アルゼンチンのロサリオからチリ、ペルー、コロンビアからベネズエラのカラカスまで、バイクとヒッチハイクで貧乏旅行したときの記録。
アルゼンチンからチリにかけての美しい風景に感動したり、チリは良い人たちばかりで親切にしてもらったり、ペルーのクスコに感銘を受けたり、そういった素朴な青年としての感動がつづられている。ラテンアメリカ人としての自覚を徐々に育てて行った頃の純粋な思いに満ちていて、思想的な面は現れていない。南米旅行記として読むと良いと思う。