イル・ポスティーノ
■著者:アントニオ・スカルメタ著,鈴木玲子訳
■書誌事項:徳間書房 1996.3.1 ISBN4-1989-0485-5(徳間文庫)
■感想:
パブロ・ネルーダはチリの詩人だが、これほど大衆的な人気があったとは知らなかった。さえない郵便配達夫がメチャメチャいい女をくどくことが出来たのはネルーダに教わった「詩」のおかげ、というハートウォーミングなお話。
ネルーダについては、アジェンデ政権時代フランス大使を務め、ノーベル文学賞を受賞した、程度の知識しかない。相変わらず「詩」は苦手なので、有名だけど読んだことがなかったし、これからも読むことはあまりないだろうと思って、何も知らないままよりはマシだろうと思い、こんな本を読んでみた。作者の方はチリの、例によって亡命作家。
1996年に映画化されている。映画はイタリアを舞台にしているため、内容的に微妙に趣がことなるらしい。サンチアゴからバスで2時間の町、バルパライソの実際にネルーダの別邸として使われていた「ラ・セバスチアーナ」で撮影してくれたんだったら見たのにな。見えてないけど、いかにもブエナビスタ→シャンテって感じの映画だろうね。