最近読んだ本、見た映画・芝居、聞いたCD

2001年6月21日

エバ・ルーナのお話

■原題:Cuentos de Eva Luna,1990, Isabel Allende
■著者:イサベル・アジェンデ著,木村榮一,窪田典子訳
■書誌事項:国書刊行会 1995.7.15 ISBN4-336-03596-2(文学の冒険)
■感想
チリの故アジェンデ大統領の姪で、「精霊たちの家」でベストセラー作家になったイザベル・アジェンデの作品。多数著作はあるようだが、この3作品しか日本語に翻訳されていない。
文学作品としての評価は低いようだが、小説としては抜群に面白い。読みやすいし、ほどよくファンタスティックでリアルな感じが、心地よい。ラテンアメリカ文学は悲惨な話が多いので、どんなふうに主人公が身を持ち崩すかと思って読んでいくと、さりげなくハッピーになったりするから、やっぱり女性向きなのか。
エバ・ルーナという名の主人公の物語で長編、下はそのエバが作ったお話という設定の短編集。舞台はチリではなく、ベネズエラらしい。おとぎ話の中に政治動向も盛り込まれた、不思議な作品。結構一気に読めます。