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戯曲

リターン

初出:「海へ…―ヘミングウェイ幻想―」『せりふの時代』1997年秋号(No.5) p284~307
収録:「清水邦夫全仕事 1992~2000」p275~338 河出書房新社 2000.6.23

【上演データ】
木冬社・シアターX提携公演
1998(平成9)年7月2日~15日
会場:シアターX
演出:清水邦夫
美術:上田淳子
照明:山口暁
音響:深川定次
衣裳:若生昌
舞台監督:富川孝
制作:越前屋加代/新井理恵

「海へ…ヘミングウェイ幻想」

出演:米倉斉加年(ヘミングウェイ)/林香子(看護婦)/深野良純(看護人)
【あらすじ】
「老人と海」などで知られるヘミングウェイは、60歳を過ぎた頃、極度の鬱病になり、猟銃による自殺未遂を引き起こす。事件後、医師団は病院での治療を勧めるが、彼は拒否して自分で作製したメンタル・リハビリテーションを始める。
その材料として使われたのが、ボートである。暗い海に漕ぎ出すボートを病院の一室に持ち込み、リハビリを行う。それは過去に彼がかかわった女性たちを自ら演じるというものだった…。
【コメント】
ほぼ米倉斉加年の一人芝居。奇怪な化粧をして自分の母親を演じ、化粧を落として自分に戻り、そしてまた化粧をする…。あるいは帽子でなんとも忙しそうだった。
ヘミングウェイがその母親を自ら演じ、自らを罵倒するときの台詞「だけど、あなたは何ひとつイメージを喚起できない!これがレアリストのなれの果て!自分の作品をただただ無能になぞるだけ!」が作者が自分に向かって罵倒しているかのようで、非常に聞いていて厳しいものを感じた。
ラジオドラマ

「陸へ…サムトの女たち」

出演:松本典子(坂本ぎん)/黒木里美(坂本新子)/老女(中村美代子)/妙子(泉谷郁子)/かな子(新井理恵・越前屋加代)/吉田敬一(若い男)/桜井友紀(女の子)/関谷道子(女の子)/松井裕子(女の子)/石川洋行(店員の声)/米倉斉加年(老人)
【あらすじ】
日本海沿の地方都市。以前公園か遊園地のようなものだったと思われる、「祭り場」と呼ばれる空き地に回転木馬の残骸がある。
東京で女優をしている坂本ぎんが舞台を投げ出して突然帰郷した。生家に帰ってみると妹が一人暮らしをしているはずなのに、六人もの家族が同居していた。たまらず逃げ出して来たが、何故か「方向感覚」を失い、この空き地に迷い込んで来たのだ。
この街には、かつてぎんや新子が通った「北国シネマ」という映画館があった。ここは今はスーパーマーケットになっているのだが、ここの館主だった老女の妄想に何故かぎんは付き合わされてしまい…。
【コメント】
ついに女優がアルツハイマー。弱気になっている女優を何が再び舞台へと駆り立てるのか?
回転木馬、映画館、かつて清水氏が使ったモチーフが繰り返される…。
 


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