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戯曲

弟よ

初出:1990
収録:「清水邦夫全仕事1981~1991下」p409~476 河出書房新社 1992.11.30

受賞:芸術選奨(第41回・1990年度)演劇部門・文部大臣賞/テアトロ演劇賞(第18回・1990年度)

【上演データ】
1990(平2)年12月8日~18日
木冬社第16回公演,木冬社=紀伊國屋書店提携公演
会場:紀伊國屋ホール
演出:清水邦夫(芸術選奨文部大臣賞)
美術:朝倉攝
照明:服部基
音響:深川定次
殺陣:竹田寿郎
舞台監督:堀井俊和
制作:田上起一郎
出演:松本典子/中島久之/磯部勉/堀越大史/黒木里美/内山森彦/中村美代子/鈴木実/石塚智二/松戸賢一/川田涼一/原口健太郎/南谷朝子/玉城美〓/菊岡薫/林香子/越前屋加代/田中幹子/加藤早苗/三村朋子
受賞:紀伊國屋演劇賞(第25回・1990年度)個人賞(黒木里美)
【あらすじ】
 坂本龍馬が京都で暗殺されて三年後、故郷・土佐では龍馬の死が五十日も遅れて知らされたこともあって、龍馬がまだ生きていると信じ、その幻影にとらわれている人々がいる。龍馬の幼なじみ下坂本源之助と龍馬の長姉・高松千鶴である。
 千鶴は京都で生活に困っているらしいと伝聞される妻のおりょうを土佐で引き取り、龍馬の消息を知ろうとする。龍馬のすぐ上の姉・坂本乙女はそんな長姉を案じ、自ら京都へ向かう。千鶴に龍馬が死んだことをはっきりと知らせるためである。
 乙女が京都へおりょうを迎えに行くと、そこには龍馬に誘われて脱藩した、乙女の前夫の弟・岡上清三郎とおりょうの兄・藤五郎がいた。おりょうの他に、何故かこの二人も土佐へ連れて帰ったが…。
【コメント】
 坂本龍馬の姉、乙女は意志の強い女性として、あるいは龍馬が多くの手紙を送った相手として歴史に名を残しています。また妻・おりょうのことは誰でも知っていると思います。この二人が龍馬の死後、一緒に暮らし、明治の時代を共に生きたとは私は知りませんでした。
 しかしながらこの舞台は乙女とおりょうが主役というよりは、龍馬の周辺にいた人々の亡き龍馬へのオマージュと新しい時代への期待に満ちた作品に仕上がっています。何しろ登場人物が多くて、いつもの叙情あふれる場面もありましたけれど、コミカルなドタバタの場面が多々あり、どちらかというとそちらの印象が強く残っています。
 ただ黒木里美って松本典子とタメを張れる女優になったなぁ、カッコいいなぁ、と思ったことははっきりと覚えています。ですから公演終了直後に紀伊國屋演劇賞を受賞したのも、とてもうなずけました。木冬社の第一期生、しかも唯一の生き残りだそうで、若手のリーダーとしての風格も備わって来たような、そんな印象がありました。
 


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