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戯曲

想い出の日本一萬年

1970年の作品
初出:『同時代演劇』第4号(1971年)
収録:「想い出の日本一萬年」中央公論社 1971
「清水邦夫全仕事1958~1980上」p365~390 河出書房新社 1992.6.20

【上演データ】
1970(昭45)年9月10日~26日
/11月5日横浜国立大学清水ガ丘グランド
現代人劇場=新宿文化提携公演No.2
会場:新宿文化
曲:ボブ・ディラン
演出:蜷川幸雄
美術:若林南海男
照明:吉本昇
音響:今泉芳春
音楽:岡部公甫
舞台監督:石田英朗
ドラム指導:大口広司/萩原健一
出演:本田龍彦(父親)/蟹江敬三(タロ)/石橋蓮司(ジロ)/真山知子(花子)/利光哲夫/梶原譲二/岩井達/豊田紀雄/戸川暁子/加藤真智子/井上博一/坂口連/佐々倉英雄/松岡敏子/佐藤道江/野島ひろみ/松林明/原利一/溝口若子/といたじゅんこ/キムカンザ/つじあきら/舟橋三郎/舟木日夫/増山真吾/岡田茂美/吉田涼子/田所陽子/藤田裕子/中里安孝/田村満/鈴木隆信/他
【あらすじ】
 白く大きな卒塔婆の山。その上に花子がいる。そこへサブローの父と二人の兄タロ、ジロがやってくる。サブローの死に際に恋人になった花子は彼の最後の様子を話す。その間、今日所や捜し物をする人が出入りする。いつしか大勢の人が口々に自分の想い出を語りはじめ、それが重なり合い呪詛のように響く。叫びは、念仏の合掌に変わっていく。
 やがて父子三人に凌辱される花子。その四人に殴りかかる想い出の人々。花子は動かない。突然、無数の白い卒塔婆がふりかかる。静寂のあとに狂女の歌うような声が響く。
【コメント】
 「卒塔婆」がポイントの舞台でしょう。写真で見ると凄い量でした。人々が口々に想い出を語るところから念仏の合掌に変わっていく様は異様なミュージカルとも言えるかもしれません。ダイナミックな舞台であったことは想像に難くないです。
 戯曲は短いものですが、その想い出のセリフが途中でアドリブになっています。これ、アドリブじゃなくって全部書いてあったら凄いなあと思います。見てみたい。
 「熱い夏は終わった。今はもう秋だ」なんていうセリフもあり、時代が感じられますけど、70年9月じゃまだ終わってないんじゃあなかったっけ。国大の学祭かなんかでしょうか?再演されたのは。
 ところでドラム指導・萩原健一って、テンプターズっていうからにはショーケンですよね。
 


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